チーズができるまで
- HOME
- チーズができるまで
ナチュラルチーズはどうやってできるの?
意外と知らない造り方について
チーズの魅力は、その豊かな味わいだけでなく、製造過程にも宿っています。当工房では、チーズ作りを単なる作業と捉えるのではなく、創造性と愛情が込められる一種の芸術と考えています。新鮮なミルクを乳酸菌と繊細な手法で仕上げるプロセスは、まるでアトリエで芸術作品を生み出すようなものです。
ほんの一例として、ここでは、当工房のパスタフィラータ(生地を熱水中で混錬し、繊維状にして成形する製法)チーズの造り方をご紹介いたします。
5:30 – ミルクの受け入れ
チーズバット(チーズ製造の要となる機械装置)に、原料となる新鮮な宮城県産生乳を投入します。
5:40 – ミルクの低温殺菌
62~65℃で30分、低温長時間殺菌(LTLT法)を行います。これにより有害微生物を死滅させるとともに、生乳本来の風味を残します。高温殺菌をした生乳ではカルシウムイオンが不足し、ミルクは凝固せずチーズを造ることができなくなります。
8:30 – 乳酸菌およびレンネット(凝乳酵素)の添加
チーズを造るためのさまざまな環境を整えるために乳酸菌を入れ、発酵をスタートさせます。その後、レンネット(凝乳酵素)を入れ凝固を待ちます。
9:00 – カードのカッティング①
カード(乳にレンネットを添加してできる柔らかい凝固物)を切断します。そのタイミングの見極めは非常に重要で、早すぎても遅すぎても好ましくありません。つい先ほどまで液体だったミルクが、乳白色の鏡面のように固まる現象はとても神秘的です。
9:00 – カードのカッティング②
横、縦と切れ目を入れサイコロ状にカットします。この切断作業によってカードの表面積が広がってホエイの滲出が始まります。大きく切断すればソフトタイプ、細かく切断すればハードタイプのチーズができます。
9:15 – クッキング
切断しホエイの滲出が始まったカードを、乳脂肪が流出しないよう、浮かすようにゆっくり撹拌すると、シネレシス(カードが収縮しホエイが排出される現象)が促進されます。
9:20 – カードとホエイの分離開始
水分を含んだ大きなカードからホエイが滲み出ることで、低水分の小さなカードになっていきます。ここで、撹拌・加熱・酸生成の強弱をコントロールすることにより、目的とするチーズの食感を造り分けることができます。
10:15 – マッティング
撹拌を続けるとホエイが排出され、収縮とともにカードに弾力が生まれるため、大きな塊を造ることができるようになります。そうしてマット状にまとめることで後の工程でカードを扱いやすくします。
11:30 – チェダリング①
時間、温度、酸度を細かく確認・管理をしながら、カードの発酵(乳酸菌の増殖)を進めていきます。
11:45 – チェダリング②
カードを定期的に反転させながら、均一に発酵を促し、目指す製品にとって最適な酸度(乳酸菌の状態)に到達させます。
12:00 – カードの細断
次の工程の、熱湯で混練をしやすくするために、熱がよく伝わるようミリング(細かくカット)します。
12:05 – フィラトゥーラ①
ここからは一気に作業のスピードが上がります。85℃~90℃のお湯を注ぎ、熱がカードに移り同程度の温度になるのを待ちます。
12:10 – フィラトゥーラ②
カードに十分熱が伝わったら練ります。お湯に長く浸け過ぎるとミルキーさが失われ硬い仕上がりに、浸漬が短いと成形がしづらいため、タイミングを見計らいながら素早く練り込んでいきます。
モッツァレラチーズの成形
モッツァレラチーズの成形を行います。
ストリングチーズの成形
ストリングチーズの成形を行います。
モッツァレラノディーニの成形
モッツァレラノディーニの成形を行います。